仲人宅での結納交換の流れの続き その1(三上靖史)

親族書があるときは、仲人夫人は、もう一度床の間の前にすすみ、片木盆にのせた親族書を捧げ持ってきて、結納品の向かって右側に、向こう向きに並べて置きます。

ここで、仲人が、女性側に向かって、

「正雄さんから光子さんへのご結納品と親類書でございます。

どうぞお改めくださいまして、幾久しくお納めくださいませ」と挨拶。

男女双方が、同時に一礼します。

女性本人が結納品のなかから目録だけ、手にとって拝見し、両親にもざっと見せるしぐさをしてから、もとへかえし、かねて、用意してきた請書を片木盆ごと、手にささげ持って、次のような口上を述べます。

「ご結納の数々、幾久しくお受けいたします。

これが請書でございます。

よろしくお取り次ぎくださいませ」

三上靖史