2016年1月アーカイブ

結婚の意思をなくした者に結婚を強制しても、円満な夫婦生活、家庭生活が期待できないからです。

しかし、婚約の事実があるのに、正当な理由もなく結婚を拒絶された場合は、その相手方に対して、損害賠償の請求をすることができます。

請求できるのは、婚約を破棄されたことによる精神的苦痛に対する慰謝料のほか、婚約披露の費用、仲人への謝礼など、財産的損害です。

婚約解消の正当な理由として認められるのは、相手に不貞行為があった、相手から虐待侮辱を受けた、相手が精神病になったという場合などです。

逆に、家風に合わない、相性や方位が悪いといったことは、正当な理由としては認められません。

なお、婚約破棄による損害賠償の支払義務を負うのは、婚約の破棄、解消について責任のある側であり、婚約の破棄をどちらから言い出したかは、直接関係ありません。

したがって、婚約の破棄を申し出たほうも、その責任が相手にあれば、相手に対して損害賠償を請求することができます。

三上靖史